何度も寝違えてしまったり、
何度もぎっくり腰になってしまう場合、
睡眠環境にも原因があるかもしれません。
中でも注意が必要なのが
「寝返り」です。
寝返りは、寝ている間に発生する汗や熱を
放散するための生理現象の一つです。
日本では「寝相が悪すぎる」とか、
「寝返りしすぎ」みたいな感じで、
悪いイメージで捉えられがちです。
でも、本当は、
カラダにとても良い動きで、
寝ているときに欠かせない動きです。
寝返りできないままの状態だと、
汗や熱がどんどんたまっていきます。
汗や熱がたまった場所には、
疲労物質や痛みを感じる物質が
一緒に集まりやすくなります。
疲労物質や痛みの物質がたまれば、
筋肉や関節にも影響を及ぼします。
筋肉や関節の動きが制限された状態で、
急に動き出してしまえば、
首を寝違えたりぎっくり腰になります。
グキッとやってしまう状態です。
寝返りしやすい環境に整えることは、
日常生活で発生する怪我の予防にもつながりますよ。
動物は、必ず寝返りする
徹底的に教育された動物でなければ、
動物は本能のままに動きますよね。
ペットを飼っている方なら
お分かりいただけるかと思いますが、
犬も猫もウサギも他の動物達も、
ゴロンと寝返りします。
寝ていて急に起きたなと思ったら、
向きを変えて
そのまま寝てしまうことも多いです。
動物は、本能で「寝返り」を行います。
カラダにとって良いものだと理解しているので、
自然とゴロンと寝返りするようになります。
冬場、重たすぎる掛け布団はNG
冬になると掛け布団をかけると思いますが、
重たすぎる掛け布団は要注意です。
寒くなればなるほど、
掛け布団の枚数が増えてしまいがちですが、
できるだけ軽量のものを使用してくださいね。
重たければ重たいほど、
寝返りをうちにくくなりますので、
カラダにとって大きな負担となってしまいます。
冬場の朝一番に、
ぐきっとひねってしまう患者さん、
ものすごく多いです。
羽毛布団など、温かくて軽量な布団を使用したり、
ヒートテックなど温めるようなウェアを使用すると、
こうした怪我を防ぐことができますよ。
お子さんやペット、横で寝ていませんか?
お子さんやペットと一緒に寝ている方は、
寝違えやぎっくり腰になりやすいですよ。
お子さんやペットが横にいれば、
当然、カラダの大きな大人が
ゴロンと転がるのは危険になります。
だから無意識のうちに寝返りをしにくくなり、
無意識のうちにカラダに負担が入ってしまい、
気づいたら痛めやすい状態になりがちです。
このように書くのは簡単ですし、
患者さんにもアドバイスすることもありますが、
難しい部分なのもよくわかります。
小さいお子さんだったら、
どかしてしまうのはかわいそうですし、
ペットも移動させるのは難しいですもんね。
できる範囲で大丈夫ですので、
少しずつ睡眠環境を整えてみてください。
枕もベッドも「寝返り」基準で
患者さんのよく質問されるのが
「どんなベッドが良いですか?」
「どんな枕が良いですか?」というものです。
数え切れないくらい質問されてきましたが、
必ず「寝返りをうちやすいもの」と答えてきました。
人は、カラダの個人差がとても大きいです。
男性・女性でも体型が違いますし、
身長も体重も個人差がありますし、
頭の大きさも首の長さ・湾曲も人それぞれです。
筋肉のつき方も少しずつ異なりますし、
筋肉や皮膚のハリ感も人それぞれ違います。
だから「どんな人にも合う寝具」は、
この世には存在していません。
人それぞれ体型・形状・性別・動きなど、
ほぼすべての部分が異なっているのに、
「どんな人にも合う寝具」など作れませんよね。
だからこそ、お布団や枕を購入する場合には、
必ず「寝返りしやすいか?」を試してほしいです。
実際によくあるのが、
Aさんには劇的な効果があった枕が、
Bさんには逆効果になったというパターンです。
通販などで同じ枕を購入された患者さんが、
異なる感想をおっしゃるケースが
かなりの件数ありましたね。
高級なものが良いというわけでもなく、
安いものでも寝返りしやすいものであれば、
今の睡眠環境よりは痛めにくくなりやすいですよ。