打撲は、一般的に「打ち身(うちみ)」とも呼ばれる怪我です。身体の一部を何かにぶつけたり、強く打ちつけたり、転んだり、衝突したりすることによって起こるものです。
具体的には、外からの強い力が身体に加わることで、皮膚の下にある筋肉、脂肪組織、血管などの軟部組織が損傷した状態を指します。皮膚の表面に切り傷や擦り傷がないのが特徴です。
打撲(だぼく)とは?
打撲の主な症状
打撲をすると、主に以下のような症状が現れます。
- 痛み:
- 受傷直後から痛みを感じることもありますが、数時間後や翌日など、しばらく時間が経ってから痛みが強くなることがよくあります。
- 患部を押すと痛む「圧痛」があります。
- 重度の場合、動かすと痛みが強く、関節や筋肉の動きが制限されることもあります。
- 腫れ(腫脹):
- 損傷した組織で炎症が起こるため、患部が腫れてきます。
- 頭部を打撲した場合は「こぶ」になることがあります。
- 内出血(青あざ・皮下出血):
- 衝撃によって皮膚の下の細い血管が破れ、血液が組織内に漏れ出すことで、皮膚が青紫色や赤紫色に変色します。これが「青あざ」や「打ち身の色」と呼ばれるものです。
- 内出血は、時間の経過とともに黄色や緑色に変化しながら吸収されていきます。
- 広範囲にわたる内出血や、大きな塊として血がたまる「血腫」ができることもあります。
- 熱感:
- 炎症反応によって、患部に熱を感じることがあります。
打撲の原因となる場面
- スポーツ中の衝突: サッカーやラグビーなどのコンタクトスポーツでの選手同士の接触、ボールや用具が体に当たるなど。
- 転倒・落下: 転んで地面に体を打ちつけたり、階段で足を踏み外してぶつけたりする。
- 日常生活での事故: ドアに指を挟む、家具の角にぶつける、重いものを落とすなど。
- 交通事故: 車や自転車との衝突など、強い衝撃を受ける場合。
注意すべき打撲
軽度の打撲であれば、安静にして冷やすなどの適切な処置で自然に治ることがほとんどです。しかし、以下のような場合は、より重い損傷(骨折、脱臼、筋肉の大きな損傷、内臓損傷など)を伴っている可能性があり、医療機関での診察が必要です。
- 痛みが非常に強い、または時間とともに悪化する
- 腫れがひどく、変形しているように見える
- 患部を全く動かせない、または動かすと激痛が走る
- しびれや麻痺がある
- 頭部、腹部、背中などを強く打撲した場合(特に、頭部は意識障害や吐き気など、腹部は内臓損傷、背中は神経損傷の可能性があるため、注意が必要です)
- 発熱を伴う場合