打撲や捻挫をしたとき、「早く治したい」という気持ちから、患部を自分でマッサージしたくなる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、怪我の状況や時期によっては、マッサージが逆効果になることがあります。
怪我のセルフケアとして、自分でマッサージはして良い?
怪我の直後(急性期)は絶対に避けるべき
怪我をした直後(一般的に受傷から24~72時間以内)は、患部で炎症が強く起こっています。この時期にマッサージをすると、以下の問題が生じる可能性があります。
- 炎症の悪化と腫れ・痛みの増強: マッサージによって血流が促進され、炎症反応がさらに強まり、腫れや痛みが悪化します。
- 内出血の拡大: 打撲や捻挫では、血管が損傷して内出血(青あざ)が起こっています。マッサージをすると、この内出血が広がり、あざが大きくなったり、回復が遅れたりすることがあります。
- 組織の損傷悪化: 靭帯や筋肉が損傷している状態にもかかわらずマッサージをすることで、さらに組織を傷つけ、治癒を妨げてしまうリスクがあります。
この時期は、RICE処置(安静・冷却・圧迫・挙上)が最も重要です。患部を動かさず、冷やし、圧迫して腫れを抑え、心臓より高く上げて血流を抑制することが、早期回復の基本となります。
炎症が落ち着いた後(慢性期)は注意しながら行う
腫れや熱感が引き、痛みが軽減してきたら、つまり炎症が落ち着いた慢性期であれば、状態を見ながら軽いマッサージが有効になる場合もあります。この時期には、血行を促進することで、損傷した組織への栄養供給や老廃物の排出が促され、治癒を助ける効果が期待できます。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 痛みのない範囲で: マッサージ中に少しでも痛みを感じる場合は、すぐに中止してください。無理なマッサージは、再び炎症を起こしたり、症状を悪化させたりする可能性があります。
- 強く揉みすぎない: 強い力で揉むのではなく、優しくなでる程度から始め、様子を見ながら行いましょう。
- 専門家のアドバイス: どの程度のマッサージが良いか、どのような方法が良いかについては、医師や理学療法士などの専門家に相談するのが最も安全で効果的です。自己判断で行うと、かえって症状を長引かせてしまうこともあります。
まとめ
打撲や捻挫の自己マッサージは、怪我の直後は絶対に避け、炎症が落ち着いた後も慎重に行う必要があります。自己判断で無理なマッサージをすることで、症状が悪化し、治癒が遅れるケースは少なくありません。
もし怪我をされた際は、まずは当院にご相談ください。