打撲や捻挫などの怪我をした際、お酒を飲むことは原則として避けるべきです。
当院では、患者さんの早期回復のためにも、以下の理由から飲酒を控えるようご説明しています。
打撲や捻挫など怪我をしたら、お酒は飲んでも良い?
1. 炎症の悪化と腫れ・痛みの増強
怪我をした直後(急性期)は、患部で炎症が起こり、熱を持ち、腫れや痛みを伴います。
アルコールには血管を拡張させ、血流を促進する作用があります。
この作用によって、炎症が強まり、腫れや痛みが悪化する可能性があります。
特に、内出血を伴う打撲や捻挫の場合、アルコール摂取によってさらに出血が広がり、回復が遅れる原因となります。
2. 内出血の悪化
打撲や捻挫では、皮膚の下で血管が損傷し、内出血が起こることがよくあります。
アルコールには血流を促進する作用や、血液の凝固作用をわずかに妨げる作用があるため、内出血がさらに広がりやすくなる可能性があります。
これにより、あざが大きくなったり、腫れが引くのが遅れたりすることがあります。
3. 判断力の低下と再受傷のリスク
飲酒によって一時的に痛みが和らぐように感じることがありますが、これは痛みを麻痺させているだけで、実際には治癒を妨げています。
また、アルコールによって判断力が低下し、無意識のうちに患部に負担をかけたり、転倒するなどして怪我をさらに悪化させてしまうリスクが高まります。
4. 薬との相互作用
怪我の治療のために痛み止めや抗生物質などの薬を服用している場合、アルコールと薬の相互作用により、薬の効果が弱まったり、予期せぬ強い副作用が出たりする可能性があります。
特に、眠気を催す薬や肝臓に負担をかける薬との併用は非常に危険です。
5. 治癒の遅延
アルコールは、身体の修復に必要な栄養素の吸収を妨げたり、免疫機能を低下させたりする可能性があります。
これにより、筋肉や骨、靭帯などの組織の回復が遅れ、治癒期間が長引くことがあります。
また、脱水症状を招くことも、治癒を妨げる一因となります。
いつから飲んでも良いのか?
目安としては、怪我をしてから4〜5日間は飲酒を控えるのが望ましいとされています。少なくとも、患部の腫れや熱感がなくなり、痛みが大幅に軽減するまでは避けるべきでしょう。
まとめ
打撲や捻挫などの怪我をされた際は、早期回復のためにも、アルコール摂取は控えてください。