ぎっくり腰の痛みは、発症直後から回復期にかけて、その性質が変化することがよくあります。
主な痛みの種類は以下の通りです。
ぎっくり腰の痛みの種類|「鋭い痛み」「鈍い痛み」「動作時の痛み」
1. 鋭い痛み(激痛、刺すような痛み)
ぎっくり腰を発症した直後に感じることが多いのが、この鋭い痛みです。
- 特徴: 「電気が走るような」「ナイフで刺されたような」「ズキンとする」といった表現がよく使われます。特定の動作(体をひねる、かがむ、立ち上がる、くしゃみをするなど)をした瞬間に、突然、腰部に激しい痛みが走り、その場から動けなくなることがあります。
- 原因: 主に、急激な動きによって腰の関節や筋肉、靭帯などが限界を超えて損傷した際に生じると考えられます。炎症が強く、神経が刺激されている状態です。
- 対処: 発症直後は炎症を抑えるため、安静とアイシングが重要です。無理に動かすと悪化する可能性があるため、楽な姿勢で横になり、患部を冷やしましょう。
2. 鈍い痛み(重だるい痛み、ズーンとする痛み)
急性期の激しい痛みが少し落ち着いてきた頃や、慢性的な腰痛に移行する過程で感じやすい痛みです。
- 特徴: 「腰が重い」「ズーンとする」「だるい」「奥の方が痛い」といった感覚で、広範囲にわたって感じられることが多いです。激痛ほどではないものの、持続的に不快な痛みが続きます。
- 原因: 炎症が完全に治まっていない状態や、損傷した組織の修復過程、または痛みをかばうことで周囲の筋肉が緊張していることなどが考えられます。血行不良が影響している場合もあります。
- 対処: 症状が安定してきたら、適度なストレッチや温めるケアが有効な場合があります。血行促進や筋肉の緊張緩和を目指し、無理のない範囲で体を動かすことも大切です。動かして激痛がある場合は、まだ動かさないでください。
3. 動作時の痛み(動くと痛む)
特定の動作をした時にだけ強く感じる痛みです。
- 特徴: 安静にしていると痛みは少ないものの、「座る」「立ち上がる」「体をひねる」「荷物を持つ」など、腰に負担がかかる動作をすると痛みが増強します。痛みの種類は、鋭い場合と鈍い場合がありますが、多くは前述の痛みが動作によって誘発される形です。
- 原因: 損傷部位がまだ完全に回復していないため、特定の動作によってその部位が刺激されることで痛みが生じます。また、痛みをかばうための不自然な体の使い方が、新たな痛みを引き起こすこともあります。
- 対処: 痛みを誘発する動作を避け、正しい体の使い方を意識することが重要です。また、コルセットなどを用いて腰部をサポートすることも有効です。正しい動作パターンを習得し、再発を防ぐための筋力強化や柔軟性改善に取り組むことも大切です。
痛みの変化に注目する重要性
ぎっくり腰の痛みは、これらの種類が混在したり、時間とともに変化したりします。
痛みの種類や強さの変化に注意を払うことで、体の回復状況を把握し、適切な対処法を選択する手がかりになります。
痛みが改善しない場合や悪化するような場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
ご自身のぎっくり腰の痛みがどのような種類に当てはまるか、少しでも参考になれば幸いです。