ぎっくり腰の痛みは、発症直後の激痛から徐々に和らぎ、回復していくのが一般的です。
しかし、痛みが続く期間は、その重症度や個人の状態、適切なケアができているかによって大きく異なります。
ここでは、ぎっくり腰の痛みが続く期間について、まとめていきます。
ぎっくり腰の痛みが続く期間はどれくらい?
ぎっくり腰の痛みの経過は、大きく3つのフェーズに分けられます。
1. 激痛期(急性期):発症直後から2~3日
- 痛みのピーク: 発症したその瞬間は「魔女の一撃」のような激痛が走りますが、実は痛みのピークは発症から2~3日後に来ることが多いと言われています。これは、損傷した組織で炎症が徐々に強まるためです。
- 症状: ほとんど身動きがとれないほどの鋭い痛みが特徴です。寝返りや立ち上がる動作が非常に困難で、安静にしていてもズキズキとした痛みが続くこともあります。
- この期間の過ごし方: この時期は、無理に動かず安静を保つことが最優先です。炎症を抑えるために、患部を冷やす(アイシング)のが効果的です。必要であれば、医療機関を受診して痛み止めや湿布を処方してもらいましょう。
2. 緩解期(回復初期):3日~1週間程度
- 痛みの変化: 激しい痛みのピークを過ぎると、徐々に痛みが和らいでくるのを感じられます。動くたびに痛みはありますが、少しずつであれば体を動かせるようになってきます。
- 症状: 鈍い痛みや重だるさが残ることが多く、腰の張りやこわばりを感じることもあります。日常生活の動作が徐々に可能になりますが、まだ無理は禁物です。
- この期間の過ごし方: 炎症が落ち着いてきたら、冷やすのをやめ、徐々に温めるケアに移行しましょう。入浴などで体を温め、血行を促進することが回復を早めます。完全に安静にしすぎると回復が遅れる場合があるので、痛みのない範囲で少しずつ体を動かし始めることが大切です。無理のない範囲でのストレッチや短時間の散歩なども検討できます。コルセットで腰をサポートするのも良いでしょう。
3. 回復期~慢性化のリスク:1週間~1ヶ月半
- 痛みの変化: ほとんどのぎっくり腰は、この期間までに痛みが大幅に改善し、日常生活に支障がなくなるレベルになります。
- 症状: 痛みはほぼ感じなくなるか、たまに軽い違和感や張りを感じる程度になります。
- この期間の過ごし方: 痛みが引いても油断は禁物です。再発防止のために、体幹の強化やストレッチなど、継続的なケアが重要になります。運動習慣をつけたり、日常生活での正しい姿勢を意識したりすることで、ぎっくり腰を繰り返さない体作りを目指しましょう。
痛みが長引く場合(注意が必要なケース)
一般的にぎっくり腰は、数日から1週間、長くても2~4週間で痛みが大幅に改善するとされています。
しかし、以下のような場合は、ぎっくり腰以外の病気が隠れている可能性や、慢性化するリスクがあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。
- 2週間以上痛みが続く、または悪化している
- 安静にしていても痛みが続く
- 腰だけでなく、足にしびれや痛み、力が入らないなどの神経症状がある
- 排尿・排便障害を伴う
- 発熱がある
- 痛みを繰り返す(再発を繰り返す)
これらの症状は、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、圧迫骨折など、より深刻な病気が原因である可能性を示唆しています。
ぎっくり腰からの回復は個人差が大きいですが、初期の適切な対処と、痛みが引いてからの継続的なケアが、早期回復と再発防止の鍵となります。