子供も骨折します。
むしろ、子供は活発に動き回ることが多く、骨の構造も大人とは異なるため、特定の種類の骨折を起こしやすい傾向があります。
転倒、衝突、スポーツ中の事故など、様々な原因で骨折に至ることがあります。
子供も、骨折するの?
子供の骨折の主な原因
子供の骨はまだ発達段階にあるため、大人とは異なる原因で骨折することがあります。
- 転倒:
- 遊びや日常生活で転んだ際に、手や腕、足などを強くつくことで骨折することが最も多い原因です。特に、高い場所から落ちたり、滑りやすい場所で転んだりすると、大きな力が加わります。
- スポーツ中の事故:
- サッカー、野球、バスケットボールなどのコンタクトスポーツでの衝突や、体操、跳び箱などでの着地の失敗、無理な姿勢での繰り返し動作などにより、骨に大きな負担がかかることがあります。
- 直接的な外力:
- 遊具が体に当たる、自転車で衝突するなど、骨に直接強い衝撃が加わる場合です。
- 虐待:
- 稀なケースですが、身体的虐待によって骨折に至ることもあります。不自然な状況での骨折や、説明のつかない骨折は注意が必要です。
子供の骨折の主な症状
子供の骨折も、大人と同様に激しい痛みを伴うことが多いですが、小さなお子さんの場合は痛みを正確に伝えられないこともあります。
- 激しい痛み:
- 骨折した瞬間に強い痛みが走ることが多いです。患部を動かしたり、触ったりすると痛みが強まります。
- 腫れ(腫脹):
- 骨や周囲の組織が損傷し、炎症や内出血が起こるため、患部が大きく腫れます。
- 内出血(青あざ):
- 骨の内部や周囲の血管が損傷し、血液が漏れ出すことで、皮膚に青紫色や赤紫色のあざが現れることがあります。
- 変形:
- 骨がずれて折れた場合、患部の形が明らかに変わり、見た目にもわかる変形が生じることがあります。
- 機能障害:
- 痛みや変形のため、患部の機能が失われ、動かせなくなったり、体重をかけられなくなったりします。例えば、足の骨折では歩くことが困難になります。
- 異常な動きや音:
- 本来は関節がない場所で骨が動いたり、折れた骨の破片がこすれ合う「キシキシ」といった音が聞こえたりすることもあります。
子供の骨折に多い特徴
子供の骨は大人とは異なる特性を持つため、特有の骨折が見られます。
- 骨端線(成長軟骨)損傷:
- 子供の骨には、骨の成長を担う「骨端線(成長軟骨)」という軟らかい部分があります。この部分が損傷すると、将来的な骨の成長に影響を及ぼし、骨の変形や成長障害につながる可能性があるため、特に注意が必要です。
- 若木骨折(不全骨折):
- 子供の骨はしなやかで弾力性があるため、完全に折れずに、ちょうど緑の若い木の枝が折れるように、片側だけがひび割れて、もう片側はつながったままの状態になることがあります。これを「若木骨折」と呼びます。見た目には変形が少なく、症状も比較的軽度なことがありますが、適切な処置が必要です。
- 疲労骨折:
- スポーツなどで、特定の部位に繰り返し弱い力が加わり続けることで起こる骨折です。成長期に過度なトレーニングを行っている子供に見られることがあります。
子供の骨折が疑われる場合の注意点
お子さんの骨折は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが非常に重要です。
- 無理に動かさない: 患部を無理に動かすと、骨折が悪化したり、周囲の神経や血管を傷つけたりする危険があります。
- 固定する: 可能であれば、添え木や厚紙などで患部を動かないように固定し、タオルなどで覆って冷やすと良いでしょう。
- 自己判断しない: 「ただの捻挫や打撲だろう」と軽視せず、少しでも骨折の可能性があると感じたら、必ず専門医の診察を受けてください。特に小さなお子さんの場合、痛みを正確に伝えられないため、保護者の方の注意深い観察が大切です。