我慢強い子が怪我の痛みを訴えている場合、注意が必要

子供の怪我・痛み
我慢強いお子さんが、普段あまり痛みを口にしないにも関わらず、怪我の痛みをはっきりと訴え始めたら、それは非常に注意が必要なサインです。

一般的に、我慢強い子は痛みを隠しがちであり、本当に耐えられないほどの痛みを感じている可能性が高いからです。

我慢強い子が怪我の痛みを訴えている場合、注意が必要

我慢強い子の「痛み」の背景

我慢強い子が痛みを訴えるまでには、いくつかの段階や心理が隠されていることがあります。

  • 痛みの閾値が高い傾向: 我慢強い子は、元々痛みに耐える能力が高い、あるいは痛みを表現しないよう幼い頃から訓練されている場合があります。そのため、他のお子さんならすぐに訴えるような軽い痛みでは、口に出さない傾向があります。
  • 「大丈夫」と言いがち: 親や周囲に心配をかけたくない、あるいは弱音を吐きたくないという気持ちから、「大丈夫」「平気」と言って痛みを隠そうとすることがよくあります。
  • 症状の進行: 軽度の痛みから始まり、徐々に悪化していく過程で、我慢しながら日常生活を送っていることがあります。それでも痛みが続く、あるいは強くなることで、ついに我慢の限界を超えて訴えざるを得ない状況になっていると考えられます。
  • 深刻な怪我の可能性: 痛みを訴えるまでに時間がかかったということは、その痛みが予想以上に深刻な怪我や、深部の損傷を示唆している可能性があります。骨折や靭帯損傷、あるいは内出血など、目に見えにくい損傷であることも少なくありません。

 

痛み以外に注意すべきサイン

言葉で痛みを訴えなくても、我慢強い子の行動や様子に変化がないか注意深く観察することが重要です。

  • 動作の変化:
    • 特定の動作を避ける、ぎこちない動きをする。
    • 普段はしないような姿勢で座ったり立ったりする。
    • 寝返りをうつ際に顔をしかめる、起き上がるのを嫌がる。
    • 特定の場所をかばうように歩く、引きずるなど。
  • 表情の変化:
    • 痛みに耐えているような顔つき(顔色が悪い、汗をかく、眉間にしわが寄る)。
    • 笑顔が少ない、元気がない、ふとした瞬間に苦痛の表情を見せる。
  • 態度の変化:
    • 普段好きな遊びや活動をしたがらない。
    • 食欲がない、眠りが浅い、夜中にうなされる。
    • 不機嫌、イライラする、言葉数が減るなど、精神的な不安定さ。
  • 患部の変化:
    • 腫れや熱感がある、アザが広範囲にわたる、皮膚に変色がある。
    • 触ると嫌がる、痛みを訴える。

 

保護者・周囲の適切な対応

我慢強い子が痛みを訴えた場合、保護者や周囲の大人は冷静に、そして慎重に対応する必要があります。

  • 決して軽視しない: 「いつものことだろう」「少し休めば治るだろう」と安易に判断せず、真剣に受け止めることが大切です。我慢強い子が訴える痛みは、すでに相当なレベルに達している可能性が高いことを認識しましょう。
  • 詳細に聞き取る: どこが、どのように痛むのか、いつから痛いのか、何をしているときに痛むのかなど、具体的な状況を詳しく聞き出すように努めましょう。ただし、問い詰めすぎず、子供が安心して話せる雰囲気を作ることが重要です。
  • 患部を観察する: 腫れ、アザ、熱感、変形などがないか、見た目でも確認しましょう。軽く触れてみて、痛がる場所がないかも確認しますが、無理に触らないようにしてください。
  • 速やかな医療機関受診:
    • 痛みを訴えた時点で、整形外科などの専門医に速やかに受診することが最も重要です。
    • 特に、痛みが強い、腫れがひどい、動かせない、頭を打ったなどの場合は、すぐに救急受診や緊急の診察を検討してください。
    • 医師には、「普段我慢強い子が痛みを訴えている」という点を明確に伝えることで、より慎重な診断につながりやすくなります。
  • 無理をさせない: 医療機関を受診するまでは、患部に負担をかけないよう安静にさせましょう。普段の活動や運動は控えさせ、痛みが引くまで無理をさせないようにすることが大切です。

我慢強い子が見せるサインは、SOSであることがほとんどです。そのサインを見逃さず、迅速かつ適切な対応を取ることが、お子さんの早期回復と、重症化や後遺症を防ぐために不可欠です。