「ぎっくり腰」と聞くと、大人が重いものを持ち上げた時などに起こるイメージが強いかもしれませんが、実は子供もぎっくり腰のような症状を起こすことがあります。
大人に比べると稀ですが、決して珍しくない症状です。
子供もぎっくり腰になるの?
子供の「ぎっくり腰」の原因
子供のぎっくり腰のような症状は、大人のように椎間板ヘルニアが直接の原因となることは少ないですが、成長期特有の要因や生活習慣が関係していることが多いです。
- スポーツによる負荷:
- 成長期のお子さんは、骨や筋肉が急速に発達する一方で、柔軟性が一時的に低下したり、アンバランスが生じたりすることがあります。
- サッカー、野球、バスケットボール、ダンスなど、体をひねったり、ジャンプしたりする動作が多いスポーツで、腰に繰り返し負担がかかることで筋肉や関節を痛めることがあります。
- 特に、オーバーユース(使いすぎ)による疲労の蓄積は、ぎっくり腰の大きな原因となり得ます。
- 不良姿勢と生活習慣:
- スマートフォンの長時間使用や、ゲームをするときの猫背など、前かがみの姿勢が続くことで腰に負担がかかります。
- 長時間座っていることや、運動不足による体幹の筋力低下も、腰を支える力が弱まり、ぎっくり腰のリスクを高めます。
- 重いランドセルや通学カバンを不適切な持ち方で持ち運ぶことも、腰への負担となります。
- 急な動作や転倒:
- 大人と同様に、急に体をひねったり、中腰で無理な体勢になったり、転倒した際に腰を強く打ったりすることで、筋肉や関節を痛めてぎっくり腰のような症状が出ることがあります。
- 成長痛との関連:
- 直接的なぎっくり腰ではありませんが、骨が急成長する際に筋肉や腱が引っ張られ、腰に痛みを感じることがあります。これは「成長痛」として知られていますが、ぎっくり腰と間違われることもあります。
子供の「ぎっくり腰」の症状
症状は大人と似ており、以下のような特徴が見られます。
- 急な腰の痛み: 突然、「ピキッ」とした痛みが腰に走ることがあります。
- 動かせないほどの痛み: 痛みが強く、体をひねったり、前かがみになったりするのが困難になります。ひどい場合は、立ち上がれない、歩けないといった状態になることもあります。
- 特定の動作での痛み: 前屈み、反る、体をひねるなど、特定の動作で痛みが強まります。
- 安静時の痛み: 安静にしていても、腰のあたりに鈍い痛みを感じることがあります。
子供がぎっくり腰になった場合の対処法
お子さんがぎっくり腰のような症状を訴えた場合は、以下の点に注意してください。
- 安静にする: 無理に動かさず、楽な姿勢で安静にさせましょう。
- 冷やす: 痛みや炎症が強い場合は、患部をタオルで包んだ氷などで冷やしてください。
- 無理にマッサージしない: 受傷直後は炎症が起きているため、マッサージは避けてください。
- 医療機関を受診する: 痛みが強い場合や、数日経っても改善しない場合は、必ず医療機関を受診してください。特に、足のしびれや麻痺がある場合は、より慎重な対応が必要です。
まとめ
子供もぎっくり腰になる可能性はあります。大人のぎっくり腰と同様に、無理な姿勢や急な動作、スポーツによる負担などが原因となることが多いです。お子さんが腰の痛みを訴えた場合は、決して軽視せず、早期に専門家による適切な処置を受けることが大切です。
当院でも、お子さんのぎっくり腰のご相談に応じておりますので、お気軽にご来院ください。