ここでは、股関節に起こりやすい外傷(怪我・痛み)の
代表例をいくつかまとめていきたいと思います。
スタートダッシュで発生する、股関節のねんざ
股関節を痛める患者さんの中で、
最も多いのが、ダッシュをした瞬間に
股関節を痛めてしまうことです。
股関節の関節組織はもちろんのこと、
周辺の筋肉、太ももや膝の周りの筋肉にも
強いダメージが入り痛めやすくなってしまいます。
瞬間的にグキッとひねってしまうケースと、
繰り返し動かしたあと、
状態が一気に悪化するケースがあります。
大腿四頭筋や縫工筋、
内転筋に腸腰筋などが関わります。
デスクワークで座り続けたあと、立ち上がった瞬間にひねる
現代社会において、
パソコンは必要不可欠なものだと思います。
デスクワークを行う方のほとんどが、
パソコンを使用していらっしゃるのではないでしょうか?
長時間、パソコン等を使用して座り続けたあと、
立ち上がった瞬間に股関節をひねるケースがあります。
股関節には、腸腰筋(ちょうようきん)という筋肉があります。
股関節を曲げるための筋肉ですが、
座るときにも股関節を曲げ続けています。
長時間、同じ姿勢をしてると
筋肉が固く硬直しがちなのですが、
その状態から一気に立ち上がると筋肉が伸ばされます。
思い切り引き伸ばされた状態になってしまうため、
筋違いのように筋肉を痛めてしまうケースがあります。
股関節だけでなく、
お尻の筋肉や腰の筋肉も同様に
一気にひねられて状態が悪化するケースが多いです。
肉体疲労・慢性的な疲労ではなく、
グキッとひねられるケースが多いです。
下半身を打撲したあと、股関節を伸ばす
スポーツを行っている患者さんに多いのですが、
先に発生した下半身の打撲を放置することで、
股関節に大きな影響を及ぼしてしまうことがあります。
筋肉や骨をガツンとぶつける打撲や挫傷という外傷は、
放置しておくと、ぶつけた部分が固くなりがちです。
筋肉が固まってしまったり、
内出血が固まってしまって
ボコンと膨らんだ状態にもなりがちです。
固まった状態のまま下半身を動かしていると、
股関節を痛める要因になってしまいます。
走るにしても歩くにしても、
足を高く蹴り上げるにしても、
ジャンプするにしても股関節が中心です。
下半身を動かすときには、
必ず股関節がはじめに動きます。
下半身のどこかに固まってしまった場所があると、
スムーズに動かすことが難しくなってしまい、
股関節をグキッとひねりやすくなってしまいます。
固まった場所をかばうように動くようになるため、
股関節を一気にひねりやすくなってしまいます。
この場合は、股関節への対処だけでなく、
先に痛めてしまった場所にも対処が必要になります。
股関節の真ん中・外側・内側で、怪我の内容が違う
股関節の外傷の中には、
「外側」「内側」「真ん中」「奥のほう」と、
種類がいくつか存在しています。
怪我をした場所によって、
外側だけ症状が出てきたり、
内側や真ん中だけ症状が出てきます。
同じ「股関節の怪我」であったとしても、
たくさんの種類が存在しているんですね。
だからこそ「どんなときに」「どんなふうにして」
「どの時間帯に」痛めたかというのが重要になります。
内側の筋肉を痛めたのか、
股関節の真ん中にくっつく筋肉を痛めたのか、
外側の筋肉を痛めたのか、それとも別の原因なのか。
「何をしていて痛めたのか?」というのが、
股関節の外傷に対しては重要なポイントになります。