ここでは、背中に起こりやすい外傷(怪我・痛み)の
代表例をいくつかまとめていきたいと思います。
ぎっくり背中
背中の怪我で代表的なのがぎっくり背中です。
ぎっくり腰という言葉は聞いたことがあるかと思いますが、
ぎっくり背中というものも存在します。
重たいものを持ち上げたり、
前かがみからカラダを起こしあげたりするときに、
背中の筋肉や関節が引き伸ばされることで発生します。
日常生活を送るのも困難になりますし、
呼吸をするのも息苦しかったり
困難になってしまいます。
筋違い
背中より、もう少し上の部分、
肩甲骨周辺をグイッと伸ばしてしまうこともあります。
「スジが違える」という怪我ですが、
筋肉がぐいっと引き伸ばされてしまって
固まってしまっている状態です。
筋肉は、過剰に伸ばされると切れてしまいます。
筋断裂という状態で、
手術が必要になるくらい
大きな怪我になってしまいます。
筋肉がぐいっと伸ばされると、
筋断裂を未然に防ごうとして
脳が「筋肉を固めなさい!!」と指令を送り返してきます。
その指令に従って筋肉が固まった状態が、
筋違いの状態です。
いったん過剰に伸ばされて、
それ以上、伸ばされすぎないように
逆に固まってしまっている状態です。
普段、筋肉は伸び縮みしますが、
縮んだまま固まって動かせないような状態です。
肋椎関節捻挫
背骨と肋骨の間には
「肋椎関節(ろくついかんせつ)」という
関節があります。
背骨のすぐ横の部分ですが、
肋椎関節をぐいっと引き伸ばすことで
日常生活に支障をきたすような状態になります。
くしゃみを思い切りすることで伸びることもあれば、
急にカラダをぐいっとひねったときに
背中の真ん中が急に変になってしまうこともあります。
肋椎関節を痛めた患者さんの特徴は、
胸にも変な痛みが出ることです。
肋骨は、背骨からスタートして
胸の真ん中にくっついています。
背中側で肋骨の動きが制限されてしまうと、
胸側にも動きの制限が起きるようになり、
胸の関節や筋肉にもダメージが入ってしまいます。
背中を痛めた患者さんが、
胸を痛がるというケースは
よくみられる光景です。