接骨院では、リウマチは治せるの?

質問数が多い項目【接骨院編】
結論として、接骨院ではリウマチを「治す」ことはできません。

接骨院で施術を行う柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの急性外傷の治療を専門とする国家資格者であり、リウマチのような自己免疫疾患の根本治療は、その専門外となります。

リウマチの治療は、医師が行う医療行為であり、専門的な診断と継続的な薬物療法が不可欠です。

リウマチは医療機関を受診すること

リウマチとはどのような病気か

リウマチ(一般的には関節リウマチを指すことが多い)は、自己免疫疾患の一つです。

  • 自己免疫疾患: 本来、細菌やウイルスなどの外敵から体を守るはずの免疫システムが、誤って自分自身の体、特に全身の関節を攻撃してしまう病気です。
  • 症状: 主に関節に炎症が起き、痛み、腫れ、こわばり(特に朝の手のこわばり)が生じます。進行すると関節が破壊され、変形して機能障害を引き起こす可能性があります。また、関節だけでなく、肺や血管など全身の臓器にも影響を及ぼすことがあります。
  • 根本治療の必要性: リウマチは、放置すると関節破壊が進行し、日常生活に大きな支障をきたす可能性のある病気です。そのため、早期診断と適切な薬物療法による根本的な治療が非常に重要です。

 

接骨院の役割と限界

接骨院は、急性外傷に対する専門的な知識と技術を持っていますが、リウマチのような慢性疾患の根本治療は担当できません。

  • 柔道整復師の専門分野: 柔道整復師は、外力によって生じた骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れ)といった「急性の外傷」の施術が専門です。これらの症状に対しては、整復、固定、手技療法、物理療法などを用いて、自然治癒力を高めることを目的とします。
  • 診断能力の限界: 柔道整復師には、医師のように血液検査やレントゲン、MRIなどの画像診断を用いて、リウマチの確定診断を行う権限はありません。リウマチの診断には、専門的な検査と医師による総合的な判断が必要です。
  • 薬物療法の不可: リウマチの治療では、関節の炎症を抑えたり、病気の進行を遅らせたりするために、免疫抑制剤や生物学的製剤などの専門的な薬物療法が不可欠です。これらの薬の処方は、医師にのみ許された医療行為であり、接骨院では行うことができません。

 

リウマチが疑われる場合の適切な受診先

もしご自身やご家族がリウマチかもしれないと疑われる場合は、以下の専門医療機関を速やかに受診してください。

  • リウマチ科: 最も専門的な診断と治療が受けられる診療科です。
  • 膠原病科: リウマチを含む自己免疫疾患全般を扱う科です。
  • 整形外科(リウマチ専門医): 整形外科の中にも、リウマチを専門とする医師がいる場合があります。

リウマチは早期発見・早期治療が非常に重要な病気です。自己判断せず、必ず専門の医師に相談し、適切な治療を受けてください。