接骨院(整骨院)で支払った料金は、医療費控除の対象になる場合があります。
ただし、すべての施術や症状が対象となるわけではなく、いくつかの条件があります。
接骨院の料金って、医療費控除の対象になる?
医療費控除の対象となる条件
医療費控除の対象となるのは、「医師による診療や治療、または治療のための医薬品の購入など、医療目的で支払われた費用」です。接骨院の料金が医療費控除の対象となるのは、以下の条件を満たす場合です。
- 柔道整復師による施術であること:接骨院で施術を行うのは、柔道整復師という国家資格者です。この国家資格者が行う施術であることが前提です。
- 傷病の治療を目的とした施術であること:最も重要な条件は、「怪我の治療を目的とした施術」であることです。具体的には、以下の症状に対する施術が対象となります。
- 骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷(肉離れ)といった、明確な原因がある外傷性の負傷に対する施術。
- これらは、医師の診断書がなくても医療費控除の対象となりますが、施術内容や支払額を証明する領収書は必ず保管しておく必要があります。
医療費控除の対象外となる主なケース
以下のようなケースは、医療費控除の対象となりません。
- 疲労回復や慰安、健康増進目的の施術:肩こり、慢性腰痛、倦怠感の解消、マッサージ、リラクゼーション、プロポーション改善、スポーツパフォーマンス向上など、治療目的ではない施術は対象外です。これらは「疾病の治療」に直接関連しないため、医療費控除の対象にはなりません。
- 保険適用外の慢性症状への施術(自費診療の場合):例えば、明確な外傷原因がない慢性的な肩こりや腰痛に対して、接骨院で自費(自由診療)で施術を受けた場合、これは医療費控除の対象とはなりません。あくまで「治療目的」であることが重要です。
- 予防のための施術:怪我の予防目的で行われるストレッチやトレーニングなども、治療目的ではないため対象外です。
医療費控除を受けるための注意点
- 領収書の保管:医療費控除を受けるためには、施術を受けた日付、支払った金額、施術内容(治療目的であること)が明記された領収書を必ず保管しておく必要があります。レシートではなく、正式な領収書をもらいましょう。
- 明細の確認:領収書に施術内容の明細が記載されていない場合は、接骨院に発行を依頼するか、どのような目的で施術を受けたのかメモしておくなど、後で証明できるようにしておくと良いでしょう。
- 確定申告が必要:医療費控除は、年末調整では行えません。翌年の2月16日から3月15日までの間に、税務署へ確定申告を行う必要があります。
- 医療費控除の金額:医療費控除は、1年間(1月1日~12月31日)に支払った医療費の合計が、10万円を超える部分(または所得の5%を超える部分)に適用されます。家族全員分の医療費を合算できます。
接骨院での施術費が医療費控除の対象となるかは、その目的が「治療」であるかどうかが最も重要な判断基準となります。不明な場合は、税務署や税理士等に確認していただけると幸いです。