寝違えと、歯ぎしり・食いしばりは関係ありますか?

寝違え・首の怪我・痛み

寝違えと歯ぎしり・食いしばりには関係があります。

歯ぎしりや食いしばりといった口腔習癖は、首や肩の筋肉に間接的に大きな負担をかけ、寝違えを引き起こす要因となることがあります。

寝違えと歯ぎしり・食いしばりは関係ありますか?

歯ぎしり・食いしばりが寝違えに影響する理由

歯ぎしりや食いしばりが寝違えに影響を与える主な理由は以下の通りです。

  • 首や肩の筋肉への負担増大:歯ぎしりや食いしばりを行う際には、顎の筋肉(咬筋、側頭筋など)だけでなく、首や肩の筋肉にも連鎖的に力が加わります。特に、胸鎖乳突筋や僧帽筋といった首から肩にかけての筋肉が過度に緊張し、疲労が蓄積しやすくなります。この慢性的な緊張状態が、寝ている間のちょっとした姿勢の変化や血行不良と相まって、寝違えの引き金となることがあります。
  • 顎関節への影響:歯ぎしりや食いしばりは、顎関節に大きな負担をかけます。顎関節の不調(顎関節症など)は、顎周りの筋肉だけでなく、首や肩の筋肉にも影響を及ぼし、全体のバランスを崩すことがあります。これにより、首が動きにくくなったり、特定の筋肉が常に緊張したりして、寝違えが起こりやすくなります。
  • 睡眠の質の低下:無意識の歯ぎしりや食いしばりは、睡眠を浅くし、質の低下を招くことがあります。体が十分にリラックスして回復できないまま朝を迎えるため、筋肉の疲労が解消されず、寝違えのリスクが高まります。また、浅い眠りは寝返りを少なくさせ、不自然な寝姿勢が続く原因となることもあります。
  • 関連痛の発生:顎周りの筋肉の過緊張が、関連痛として首や肩、さらには頭痛として現れることがあります。これらの痛みがさらに筋肉を緊張させ、寝違えの症状を悪化させる可能性も考えられます。

これらのことから、頻繁に寝違えを起こす場合は、ご自身の歯ぎしりや食いしばりの有無についても確認し、必要であれば歯科医に相談することも有効な寝違え対策の一つと言えるでしょう。

 

歯ぎしりのセルフケア

歯ぎしりや食いしばりは、顎や首、肩の不調、さらには寝違えの原因にもなり得ます。歯科医院での治療も重要ですが、ご自宅でできるセルフケアも症状の緩和や予防に役立ちます。

顎や口周りの筋肉をリラックスさせる

  • マッサージ: 顎のエラの部分にある咬筋(こうきん)や、こめかみにある側頭筋(そくとうきん)をやさしくマッサージしましょう。温かいタオルで温めながら行うと、より効果的です。指の腹でゆっくりと円を描くようにほぐしてください。
  • ストレッチ: 口を大きく開けるストレッチも有効です。ゆっくりと、痛みを感じない範囲で開け閉めを繰り返しましょう。
  • ツボ押し: 顎の付け根にある「頬車(きょうしゃ)」や、こめかみの「太陽(たいよう)」などのツボを優しく押すのもおすすめです。

 

日常生活での意識と習慣

  • 意識して口元を緩める: 日中、仕事中や集中している時に無意識に食いしばっていることがあります。ふと気づいたら、上下の歯が触れないように意識して、口元をリラックスさせる習慣をつけましょう。舌の先を上の前歯の裏につけておくのも良い方法です。
  • ストレスを管理する: 歯ぎしりはストレスと密接に関係しています。軽い運動、趣味の時間、瞑想など、ご自身に合った方法でストレスを軽減する工夫を取り入れましょう。
  • カフェインやアルコールの摂取を控える: 寝る前のカフェインやアルコールの摂取は、睡眠の質を低下させ、歯ぎしりを悪化させる可能性があります。就寝前の摂取は控えめにしましょう。
  • 就寝前のリラックスタイム: 寝る前にぬるめのお風呂に入ったり、アロマを焚いたり、リラックスできる音楽を聴いたりして、心身を落ち着かせる時間を作りましょう。

 

寝る姿勢と環境の見直し

  • 適切な枕の選択: 首や肩に負担がかからない、ご自身に合った高さと硬さの枕を選ぶことも大切です。枕が合わないと、寝ている間に首や顎に余計な力が入ることがあります。
  • 仰向け寝を意識する: 横向きやうつ伏せ寝は、顎に負担をかけることがあります。可能な範囲で仰向けで寝ることを意識してみましょう。

 

専門家への相談も検討

これらのセルフケアを試しても改善が見られない場合や、痛みが強い場合は、歯科医院を受診して相談することをおすすめします。歯科医師は、マウスピースの作成や、より専門的なアドバイスを提供してくれます。

ご自身の歯ぎしりや食いしばりの原因を見極め、適切なセルフケアを継続していくことが大切です。