寝違えて首が痛いとき、「早く治したいからストレッチしよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、寝違えた直後にストレッチを行うことは、基本的に避けるべきです。
寝違えた直後、ストレッチしてもいいの?
寝違えの直後(急性期)にストレッチを避けるべき理由
寝違えが起きた直後、特に症状が出始めたばかりの急性期(おおよそ受傷から24~48時間以内)は、患部に炎症が起きている可能性が高いです。この時期に無理にストレッチをすると、以下のような問題が生じる可能性があります。
- 炎症の悪化と痛みの増強:ストレッチによって痛む首や肩の筋肉を無理に伸ばすと、損傷した組織にさらに負荷がかかり、炎症反応が強まって痛みや腫れが悪化します。
- 組織の損傷悪化:寝違えは、首や肩の筋肉の微細な損傷や過度な緊張が原因で起こります。この状態の筋肉にストレッチで無理な力が加わると、さらに組織を傷つけ、症状を長引かせてしまうリスクがあります。
- 重篤な問題の見落とし:稀ではありますが、寝違えだと思っていても、実は椎間板ヘルニアや頚椎症など、より重い首の病気が隠れていることがあります。このような状態でストレッチを行うと、神経を傷つけるなど、非常に危険な行為となる可能性があります。
この急性期には、無理に動かすことは避け、痛みが強く熱感がある場合は氷嚢などで軽く冷やすのが適切です。安静にして患部に負担をかけないことが、早期回復の基本となります。
炎症が落ち着いた後のストレッチ
激しい痛みが和らぎ、首や肩の熱感が引いてきた慢性期に入ったら、医師や理学療法士の指導のもと、慎重にストレッチを行うことが有効になる場合があります。
- 目的:この時期のストレッチは、硬くなった筋肉や関節の動きを改善し、首の可動域を回復させることを目的とします。血行促進や柔軟性の向上として重要です。
- 注意点:しかし、自己判断で無理なストレッチを行うのは避けるべきです。痛みのない範囲で、ごく軽い負荷から始め、徐々に強度を上げていくことが大切です。少しでも痛みを感じる場合は、すぐに中止し、専門家に相談してください。
まとめ
寝違えたばかりの直後にストレッチを行うのは基本的に避けるべきです。症状を悪化させたり、治癒を遅らせたりするリスクがあります。
もし寝違えてしまった場合は、まずは自己判断せずに、当院にご相談ください。