寝違えの原因となる筋肉の名前一覧

寝違え・首の怪我・痛み
寝違えは、主に首や肩周りの筋肉が不適切な姿勢や無理な体勢で長時間固定されることによって起こります。
具体的には、以下の筋肉が関係していることが多いです。

寝違えの原因となる筋肉

首の筋肉

首の筋肉は、頭の動きを支えたり、姿勢を維持したりする重要な役割を担っています。

  • 胸鎖乳突筋: 首を回したり、横に傾けたりする際に使われる筋肉です。寝違えでは、この筋肉が過度に緊張し、痛みを引き起こすことがあります。
  • 板状筋(頭板状筋、頚板状筋): 首の後ろから背中にかけて広がる筋肉で、頭を後ろに反らしたり、首を回したりするのに使われます。これらの筋肉の炎症や過緊張も寝違えの原因となります。
  • 僧帽筋(上部線維): 首の後ろから肩、背中にかけて広がる大きな筋肉の一部で、肩をすくめたり、首を横に倒したりする際に使われます。特に上部線維の緊張は、寝違えの一般的な原因です。
  • 頚部脊柱起立筋: 首の骨に沿って走る筋肉群で、首を安定させたり、後ろに反らしたりする役割があります。この筋肉群のこわばりも痛みに繋がります。

 

肩甲骨周辺の筋肉

肩甲骨周辺の筋肉も、首の動きに密接に関わっており、寝違えの症状に影響を与えることがあります。

  • 肩甲挙筋: 肩甲骨を上方に引き上げたり、首を横に傾けたりする際に使われる筋肉です。この筋肉は特に寝違えで痛めやすいとされています。
  • 菱形筋(大菱形筋、小菱形筋): 肩甲骨を背骨に引き寄せる働きを持つ筋肉です。これらの筋肉が硬くなると、首や肩甲骨の動きが制限され、痛みを引き起こすことがあります。

これらの筋肉が同時に、あるいは単独で炎症を起こしたり、過度に緊張したりすることで、寝違え特有の痛みや可動域の制限が生じます。

 

寝違えは筋肉が固まった状態

具体的には、以下のようなメカニズムが考えられています。

  • 不自然な姿勢による血流不足: 寝ている間に首が不自然な姿勢で長時間固定されると、特定の筋肉が圧迫され、血流が悪くなります(阻血状態)。血流が不足すると筋肉に十分な酸素や栄養が行き渡らず、筋肉が硬くなり、しこりのような状態になります。
  • 筋肉の炎症: 血流不足や無理な力がかかることで、筋肉の組織に炎症が起こることがあります。この炎症が痛みを引き起こし、さらに筋肉を固まらせる防御反応が働きます。
  • 筋肉の痙攣(けいれん): 疲労が溜まっていたり、体が冷えたりしていると、睡眠中に筋肉が痙攣(こむら返りのような状態)を起こすことがあります。これも筋肉が固まる原因となります。
  • 関節の炎症: 首の骨(頚椎)の関節(椎間関節)の袋や靭帯が炎症を起こすこともあります。この炎症によって、首周りの筋肉が防御的に固まり、動きを制限する場合があります。

これらの要因が単独で、または複合的に作用することで、朝起きた時に首が動かせない、強い痛みがあるといった「寝違え」の症状が現れます。痛みがある部分は、まさに筋肉がガチガチに固まっている状態であることが多いです。