季節の変わり目とぎっくり腰には、密接な関係があると考えられています。特に、気温や気圧の変動が大きい時期にぎっくり腰を発症する人が増える傾向にあります。
患者さんでも、秋から冬の寒くなり始める季節に、ぎっくり腰になるケースが多く目立ちます。
以下に、季節の変わり目とぎっくり腰の関係、そして対策についてまとめます。
季節の変わり目に発生しやすい「ぎっくり腰」なぜ起こる?どう防ぐ?
季節の変わり目にぎっくり腰が増える理由
- 寒暖差による体の負担増大:
- 気温の変化が激しいと、体は体温を一定に保とうとしてエネルギーを多く消費します。これにより、自律神経のバランスが乱れやすくなり、筋肉が緊張しやすくなります。
- 特に、冷えは血管を収縮させ、血行不良を引き起こし、筋肉の柔軟性を低下させます。
- 気圧の変化による影響:
- 季節の変わり目には、低気圧が接近したり、高気圧が去ったりと気圧の変動が大きくなります。
- 気圧の変化は、体内の水分バランスや血流に影響を与え、関節や筋肉への負担を増大させることがあります。特に、気圧が低い状況では、関節内の圧力が相対的に高くなり、痛みを感じやすくなると言われています。
- 生活習慣の変化:
- 季節の変わり目は、衣替えや年末年始の大掃除、新生活の準備など、普段よりも身体活動が増える時期と重なることがあります。急な運動や無理な体勢での作業は、ぎっくり腰のリスクを高めます。
- また、疲労の蓄積や睡眠不足も、体の回復力を低下させ、ぎっくり腰につながりやすくなります。
ぎっくり腰の予防と対策
季節の変わり目にぎっくり腰を防ぐためには、以下の対策が重要です。
- 体を冷やさない:
- 特に腰回りは、腹巻きやカイロなどを活用して温めるようにしましょう。
- 入浴はシャワーだけでなく、湯船にゆっくり浸かって体を芯から温めることが大切です。
- 適度な運動とストレッチ:
- 日頃からウォーキングや軽い体操などで体を動かし、筋肉の柔軟性を保ちましょう。
- お風呂上がりや寝る前などに、腰や股関節周りのストレッチを行うと効果的です。特に、前屈だけでなく、体をひねる動作や後屈も取り入れると良いでしょう。
- 正しい姿勢を意識する:
- 重いものを持ち上げる際は、腰だけでなく膝を使い、重心を低くして持ち上げるようにしましょう。
- デスクワークなど長時間同じ姿勢でいる場合は、こまめに休憩を取り、体を動かすように心がけましょう。
- 十分な睡眠と休養:
- 疲労を蓄積させないためにも、質の良い睡眠を十分にとることが重要です。
- 無理なスケジュールは避け、適度な休息を取るようにしましょう。
- 栄養バランスの取れた食事:
- 筋肉や骨の健康を保つためにも、タンパク質やビタミン、ミネラルなどをバランス良く摂取することが大切です。
- ストレスの管理:
- ストレスは自律神経の乱れにつながり、筋肉の緊張を引き起こすことがあります。リラックスできる時間を作るなどして、ストレスを上手に解消しましょう。
もしぎっくり腰になってしまった場合は、無理に動かさず、安静にすることが第一です。炎症が強い場合は冷やすこともありますが、基本的には温める方が効果的な場合が多いです。痛みが強い場合や、しびれを伴う場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
※注意
ぎっくり腰直後は「湯船に浸かる」ことや「ストレッチ」「軽い運動」はNGです。炎症が強くなるため、行わないでください。あくまでも上記は「予防」のための情報です。