ここではぎっくり腰の患者さんに対して、
アドバイスをまとめていきたいと思います。
ぎっくり腰とは??
ぎっくり腰というのは、
腰の部分をひねってしまったことで発生する
腰の捻挫(ねんざ)です。
グキッと引き伸ばしたことで、
筋肉や関節の組織を負傷した状態です。
ぎっくり腰にも種類がいくつかあって、
筋肉を痛めてしまったもの、
関節組織を痛めてしまったもの、
お尻の筋肉を痛めてしまったのもなど
複数の種類が存在しています。
単純に腰だけを痛めている場合もあれば、
太ももや膝が関係している場合もあります。
ぎっくり腰というと、
重たいものを持ち上げて発生するイメージですが、
実際には、重たさよりも姿勢のほうが関係しています。
膝を伸ばしたままの状態で、
前傾姿勢で腕を伸ばそうとしたときに
筋肉がグキッと引き伸ばされる事が多いです。
ですので、体重の軽いペットやお子さんを抱き上げたときも、
お風呂掃除で腕を伸ばしたときも、クイックルワイパーで掃除中にも、
前傾姿勢でくしゃみをしたときも、ぎっくり腰が発生するケースは多いです。
前傾姿勢でなにか行動しようとすると、
ぎっくり腰になる確率が高まりますよ。
ストレッチするのは、100%NGです!!
ぎっくり腰になった直後は、
絶対にストレッチを行わないでください。
少し動かせるからといって
強引に動かしてしまうと、
状態が悪化する可能性が出てきます。
ぎっくり腰は、腰の筋肉や関節が
グイッと引き伸ばされて発生する怪我です。
グイッと引き伸ばされて痛みが出ているのに、
そこをストレッチしてしまうと、
傷口を広げるような行動になってしまいます。
軽めのぎっくり腰だったものが、
患者さんが独自にストレッチを行ってしまったことで、
悪化してしまったケースも多くあります。
急激な症状がおさまるまでは、
強引に動かしたりしないでくださいね。
ぎっくり腰当日は、絶対にお風呂に入らないで!!
ぎっくり腰になってしまった当日、
場合によっては、2日目も
お風呂には入浴しないでください。
ぎっくり腰になっている場所を温めると、
炎症がどんどん広がってしまいます。
ぎっくり腰の応急処置で
最も重要になってくるのが、
負傷した場所の炎症を抑えることです。
しっかりとアイシングを行って、
患部を安静固定することが重要です。
お風呂に入ってしまうと、
お風呂の熱&水圧によって
炎症が急激に拡大しやすくなります。
シャワーや濡れたタオルで
カラダを拭く程度にして、
熱を加えないよう注意してくださいね。
お酒も飲まないでください!!
もしお酒を飲むような習慣がある方は、
今日は、絶対にお酒を飲まないようにしてください。
先程も書いたとおり、
ぎっくり腰で最も重要なのが
「炎症をできるだけ抑えること」です。
どれだけアイシングを行っても、
どれだけお風呂に入らなかったとしても、
お酒を飲んだらすべてが無意味になってしまいます。
お酒を飲む方はご理解いただけると思いますが、
お酒を飲むとカラダが温かくなっていきます。
血流が促進されて、
血行がよくなっていきます。
ぎっくり腰の初期の段階で
血流を良くしすぎてしまうと、
炎症が急激に拡大する恐れがあります。
炎症が広がれば広がるほど、
痛みも強くなってしまいますし、
痛みの範囲もどんどん広がりやすくなります。
状態がどんどん悪化してしまいます。
お酒を飲んでいる間は、
痛みを感じにくくなります。
でも、お酒の酔いから覚めたあとは、
痛みが増強するリスクがぐんと高まります。
ぎっくり腰の痛みが続いている間は、
絶対にお酒を飲まないようにしてください。
コルセットが重要、なければバスタオルを巻きつける
骨折してしまった患者さんは、
病院でギプス固定してもらう必要があります。
足首をひねってしまった患者さんは、
サポーターやテーピングを行う必要があります。
傷ついてしまった部分を修復するには、
何かでガッチリと固定して
患部の修復力を高める必要があります。
ぎっくり腰も同じです。
ぎっくり腰は「腰のねんざ」ですから、
足首のねんざと同じように
しっかりと固定する必要があります。
もし、コルセットを持っている場合には、
コルセットでしっかりと患部を固定してください。
コルセットが手元にない場合は、
バスタオルなど長めのタオルを使用して、
ぐっとお腹や腰の周りに巻き付けてください。
バスタオルを巻くだけでも、
かなり固定力は出てきますので、
何もしないよりはバスタオルを巻き付けてみてください。
コルセット着用時の重要なポイント
ぎっくり腰の患者さんがコルセットを巻く場合は、
一点、とても重要なポイントがあるので覚えておいてください。
それは「お腹を凹ませた状態でコルセットを巻く」ことです。
お腹を凹ませた状態でコルセットを巻くことで、
腹圧(ふくあつ:お腹内部に加わる圧力)が
高まるようになります。
腹圧が高まると、
圧力によってより腰に対する固定力が増し、
コルセットの能力が高まるようになっています。
「なんとなくコルセットを付ける」のではなく、
「お腹を凹ませた状態でコルセットを付ける」ことを
できるだけ意識してつけてください。