子供が顔や頭をぶつけた場合、まずは落ち着いて症状を観察し、状況に応じて適切な医療機関を受診することが重要です。
多くの場合、小児科または脳神経外科の受診が推奨されます。
子供が顔や頭をぶつけたら、何科を受診する?
まずは観察が重要
顔や頭をぶつけた直後の数分から数時間は、特に注意深く子供の様子を観察してください。以下の症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。
- 意識がない、呼びかけに応じない、または朦朧としている
- けいれんを起こしている
- 嘔吐を繰り返す(2回以上、特に勢いよく吐く場合)
- 頭をぶつけた直後から、いつもと違う様子(ぐったりしている、ぼーっとしている、泣き方が尋常でないなど)が続く
- 手足の動きが悪い、麻痺がある
- 頭のたんこぶが大きい、またはへこみや陥没がある
- 耳や鼻から血液や透明な液体(髄液の可能性)が出ている
- 目の動きがおかしい、瞳孔の大きさが左右で違う
- 顔色が非常に悪い、呼吸がおかしい
- ぶつけた状況が非常に激しかった(高所からの転落、高速での衝突など)
これらの症状は、脳に深刻な損傷がある可能性を示唆しており、一刻を争う場合が多いです。
状況と症状に応じた受診科
小児科
- 軽度な頭部打撲で、上記のような緊急性の高い症状が「ない」場合は、まずはかかりつけの小児科を受診するのが適切です。
- 小児科医は子供の全体的な健康状態を把握しており、成長・発達の視点から症状を評価できます。
- 頭部打撲後の一般的な注意点や、家庭での観察方法について具体的なアドバイスをもらえます。
- 必要と判断されれば、脳神経外科など専門性の高い科への紹介状を書いてもらえます。
脳神経外科(または救急科)
- 上記の「すぐに医療機関を受診すべき」症状が見られる場合は、迷わず脳神経外科がある病院、または救急外来を受診してください。
- 脳神経外科は脳、脊髄、神経の専門家であり、頭部外傷の診断と治療に長けています。CTやMRIなどの画像診断を用いて脳の損傷の有無を迅速に判断し、必要であれば外科的処置を行うことができます。
- 夜間や休日でかかりつけの病院が閉まっている場合は、救急病院の救急科を受診しましょう。
その他
- 外傷が頭皮の傷にとどまる場合:出血が止まらない、傷が深いなどの場合は、形成外科や外科での縫合処置が必要になることもあります。しかし、まずは脳への影響がないかを確認するためにも、上記いずれかの科を受診し、必要に応じて紹介してもらうのが良いでしょう。
受診時のポイント
- ぶつけた状況を正確に伝える: いつ、どこで、どのように頭をぶつけたか、地面やぶつかった相手の材質は何かなど、詳しく伝えてください。
- 直後の様子を伝える: ぶつけた直後に泣いたか、意識はあったか、吐いたかなど、できるだけ具体的に伝えます。
- その後の症状の変化を伝える: ぶつけてから医療機関を受診するまでの間に、どのような症状が出たか、または出なかったか、時間経過とともに変化があったかなどを細かく伝えます。
子供の頭部外傷は、見た目には軽そうに見えても、時間差で症状が出てくることがあります(遅発性脳内出血など)。
そのため、医療機関を受診した後も、自宅での観察を怠らないことが非常に重要です。医師の指示に従い、異常があれば再度受診しましょう。