子供がひどい捻挫をしたとき、何科?整形外科?小児科?

子供の怪我・痛み

子供がひどい捻挫をした場合、まず受診すべきは整形外科です。

小児科でも初期対応は可能ですが、骨や関節の専門家である整形外科の方が、より専門的な診断と治療を受けられます。

子供がひどい捻挫をしたとき、何科?整形外科?小児科?

整形外科を受診すべき理由

ひどい捻挫の場合、単なる靭帯の損傷だけでなく、子供特有のデリケートな問題が隠れている可能性があるため、整形外科の専門的な視点が必要です。

  • 骨端線損傷(成長軟骨の損傷)の可能性:子供の骨には、骨が伸びるための骨端線(成長軟骨板)という柔らかい部分があります。ひどい捻挫の際に、靭帯の損傷だけでなく、この骨端線に損傷(骨折)が生じることがあります。骨端線損傷は、放置すると骨の成長に影響を及ぼし、変形や成長障害につながる可能性があるため、専門的な診断と治療が不可欠です。整形外科医は、レントゲンやMRIなどで骨端線の状態を詳細に評価できます。
  • 剥離骨折の可能性:靭帯が骨に付着している部分が、捻挫の強い力で骨片ごと剥がれてしまう剥離骨折を起こすことがあります。これもX線検査などで診断する必要があり、整形外科の専門分野です。
  • 正確な診断と適切な治療:整形外科医は、骨、関節、靭帯、筋肉などの運動器の専門家です。捻挫の重症度(グレードI〜III)を正確に評価し、靭帯の損傷だけでなく、前述の骨端線損傷や剥離骨折の有無を確認できます。これにより、ギプス固定、装具、手術の必要性、具体的なリハビリテーションプランなど、最も適切な治療方針を立てることができます。
  • 再発予防とスポーツ復帰指導:ひどい捻挫は、関節の不安定性を残しやすく、適切なリハビリが行われないと再発を繰り返すことがあります。整形外科では、機能回復のためのリハビリ指導や、再発予防のための運動方法、安全なスポーツ復帰に向けたアドバイスを受けることができます。

 

小児科での対応について

小児科は子供の総合的な健康管理を行う診療科であり、発熱や風邪などの一般的な病気、予防接種などが専門です。

  • 初期対応は可能:緊急時や、まずどこを受診すべきか迷う場合、かかりつけの小児科で診てもらうことは可能です。小児科医は、捻挫の基本的な状態を評価し、緊急性の高い骨折の兆候がないかを確認し、応急処置のアドバイスをしてくれるでしょう。
  • 専門医への紹介:しかし、ひどい捻挫や、骨折、骨端線損傷の疑いがある場合は、小児科医から整形外科への紹介となることがほとんどです。最初から整形外科を受診した方が、二度手間にならず、より早く専門的な治療を開始できるメリットがあります。

 

まとめと推奨

子供が「ひどい捻挫」をしたと感じる場合は、迷わず整形外科を受診してください。

  • 痛みが強い、腫れがひどい、体重がかけられない、関節がグラグラするなどの症状がある場合は、特に速やかな整形外科受診が必要です。
  • スポーツ中の怪我であれば、スポーツ整形外科を標榜している医療機関も選択肢の一つです。

子供の骨や関節は成長途上であり、大人とは異なる特性を持つため、自己判断せずに専門医の診察を受けることが、将来の運動機能や成長に影響を残さないために非常に重要です。

接骨院でも捻挫の施術は可能ですが、重篤な症状のねんざをしている場合は、接骨院ではなく整形外科を受診することをおすすめします。