子供に発生しやすい捻挫(ねんざ)の種類一覧

子供の怪我・痛み

子供は骨や関節が成長途中であり、大人とは異なる特性を持つため、特定の部位に捻挫を起こしやすい傾向があります。

遊びやスポーツ中の転倒、不適切な身体の使い方などが主な原因となります。

子供に発生しやすい捻挫を一覧にまとめていきます。

子供に発生しやすい捻挫(ねんざ)の種類一覧

足首の捻挫(足関節捻挫)

子供の捻挫の中で最も発生頻が高いのが足首の捻挫です。

  • 足関節外側靭帯損傷:
    • 足首を内側にひねる(内反捻挫)ことで、足首の外側にある前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)や踵腓靭帯(しょうひじんたい)が損傷します。
    • 歩行中や走っている時、ジャンプの着地時などによく起こり、段差につまずいたり、足首をひねって転んだりすることで発生します。
    • 痛み、腫れ、内出血が見られ、足を着くのが困難になることがあります。
  • 足関節内側靭帯損傷(三角靭帯損傷):
    • 足首を外側にひねる(外反捻挫)ことで、足首の内側にある三角靭帯が損傷します。
    • 外反捻挫は内反捻挫に比べて発生頻度は低いですが、損傷すると重症化しやすい傾向があります。
    • 接触プレーの多いスポーツなどで、足首の外側から強い力が加わった際に起こることがあります。

 

膝の捻挫(膝関節捻挫)

スポーツ活動中に発生することが多い部位です。

  • 内側側副靭帯損傷(MCL損傷):
    • 膝の外側から強い衝撃を受けたり、膝が内側に「がくん」と入るような動き(外反強制)をしたりすることで、膝の内側にある内側側副靭帯が損傷します。
    • サッカーやバスケットボールなど、急な方向転換や接触のあるスポーツでよく見られます。
    • 膝の内側に痛みや腫れが生じ、膝の不安定感を感じることがあります。
  • 前十字靭帯損傷(ACL損傷):
    • 特に中学生から高校生くらいのスポーツ活動が活発な時期の子供に多く見られます。
    • ジャンプの着地、急な停止、方向転換、接触プレーなどで、膝が不自然な方向にひねられたり、強く曲がったりすることで、膝の中にある前十字靭帯が損傷します。
    • 「ブチッ」という断裂音、急激な痛みと腫れ、膝の不安定感(膝が外れる感覚)が特徴です。重症化しやすく、治療には専門的な対応が必要になることが多いです。
  • 膝蓋骨脱臼・亜脱臼(しつがいこつだっきゅう・あだっきゅう):
    • 膝の皿(膝蓋骨)が本来の位置から外れる、またはずれそうになる状態です。
    • ジャンプの着地や方向転換の際に、大腿四頭筋の不適切な収縮や膝の構造的な問題(膝蓋骨の外側へのずれやすさ)が原因で発生します。
    • 「膝が抜けた」「膝の皿がずれた」という感覚と共に激痛があり、膝が曲がらなくなることがあります。

 

指の捻挫(手指捻挫)

日常生活や球技スポーツで比較的よく見られます。

  • 突き指:
    • バスケットボールやバレーボールなどでボールが指先に当たり、指が過度に反ったり、曲がったりすることで、指の関節にある靭帯や関節包が損傷します。
    • 痛み、腫れ、動かしにくさが特徴です。軽度と思われがちですが、放置すると変形や機能障害に繋がることもあるため、適切な処置が重要です。

 

肘の捻挫(肘関節捻挫)

スポーツ、特に投球動作を伴う競技や、転倒時に手をついた際に発生することがあります。

  • 内側側副靭帯損傷(肘):
    • 野球のピッチャーなど、繰り返しの投球動作によって肘の内側の靭帯にストレスがかかり損傷することがあります(リトルリーガー肘の原因の一つにもなります)。
    • 転倒して手をついた際に、肘が不自然にひねられることでも起こります。
    • 肘の内側に痛みが生じ、特に投球時や腕を伸ばす動作で痛みが強まります。

子供の捻挫は、大人の捻挫と異なり、骨端線損傷(成長軟骨の損傷)や剥離骨折を伴うことがあるため、単なる捻挫と決めつけずに専門家に相談してください。