子供が捻挫などの怪我をした際に、その事実を親や指導者に隠してしまうケースは珍しくありません。
これは、保護者が子供の怪我に気づきにくく、症状が悪化する原因となるため、周囲の大人は注意深く見守る必要があります。
子供が捻挫などの怪我を隠すことがあるので要注意
なぜ子供は怪我を隠したがるのか?
子供が怪我を隠す背景には、いくつかの心理や状況が考えられます。
- 叱られるのが怖い:
「また不注意で怪我をした」と親や指導者に叱られたり、怒られたりするのを恐れて隠してしまうことがあります。特に、以前にも同様の怪我をした経験がある場合にこの傾向が強まります。
- 活動を制限されるのを嫌がる:
怪我が発覚すると、好きなスポーツや遊び、部活動などを休まなければならなくなることを恐れます。特にチームの一員として活動している場合、「みんなに迷惑をかけたくない」「レギュラーから外されたくない」といった気持ちから、無理をしてでも活動を続けようとします。
- 心配をかけたくない:
優しい性格の子供の場合、親や家族に余計な心配をかけたくないという気持ちから、痛みを我慢して隠してしまうことがあります。
- 痛みを正確に伝えられない/理解していない:
特に幼い子供の場合、痛みの種類や程度を正確に言葉で表現することが難しく、また「このくらいの痛みは大丈夫」と自己判断してしまうことがあります。
- 「大丈夫」と言われるプレッシャー:
周囲からの「大丈夫?」「我慢できる?」といった声かけに対し、弱音を吐けないというプレッシャーを感じ、つい「大丈夫」と答えてしまうことがあります。
親や指導者が注意すべきサイン
子供が怪我を隠している可能性を示すサインを見逃さないよう、日頃から子供の様子を注意深く観察しましょう。
- 動きの変化:
- 特定の動作(例:走る、ジャンプする、階段を上る・下りるなど)を避ける、またはぎこちない動きをする。
- 今までできていた動きができなくなる、または明らかにパフォーマンスが低下する。
- 片方の足をかばって歩く、引きずるような歩き方をする。
- 行動の変化:
- 好きな遊びやスポーツに急に興味を示さなくなる、参加を渋る。
- 休憩中にじっとしている時間が増える。
- 遊んでいる最中に、一瞬顔をゆがめるなどの痛みの表情を見せる。
- 見た目の変化:
- 特定の関節や部位に腫れや赤み、内出血が見られる。
- 触れると痛がる、または触らせようとしない。
- 衣服で隠そうとする、または不自然な姿勢をとる。
- 言葉のサイン:
- 「ちょっとぶつけた」「別に痛くない」など、漠然とした説明でごまかそうとする。
- 痛みの有無を聞くと、明らかに不自然な反応をする。
怪我を隠さないための対策
子供が安心して怪我を報告できる環境作りが最も重要です。
- 普段からコミュニケーションをとる:
子供との信頼関係を築き、「何かあったらすぐに言ってね」というメッセージを伝え続けることが大切です。叱るのではなく、まずは子供の訴えに耳を傾け、心配していることを伝えましょう。
- 怪我をした時の対応を明確にする:
「怪我をしたら休むのは当然」「無理しても良いことはない」ということを普段から伝え、怪我は悪いことではないという認識を共有しましょう。
- 痛みや違和感を軽視しない:
子供が「ちょっと痛い」と言った場合でも、「そのくらい大丈夫」と安易に片付けず、必ず患部を確認し、必要であれば医療機関を受診するようにしましょう。
- 観察力を高める:
特にスポーツ活動中など、子供が夢中になっている時こそ、親や指導者が子供の動きや表情の変化に注意を払い、異変に気づくアンテナを高く持ちましょう。
子供の成長過程で怪我はつきものですが、それを早期に発見し、適切に対応することが、子供の健やかな成長と将来の健康を守る上で不可欠です。